ぶっちゃけ司法試験

弁護士の仕事

これまでの流れ

旧司法試験

司法試験は合格率数パーセントの狭き門でした。そして、だれでも、いつまでも受験できる試験でした。10回目の試験で合格したとかいう人もいましたし、数十回受けたけど受からなかった人もいました。マークシートの択一試験+論述試験(憲法・民法・商法・刑法・刑事訴訟法)+口述試験(口頭での試験)をクリアしてやっと合格です。このころは知識(条文・判例・論点)をほぼ完璧にマスターしていないと合格できないという点で困難なことに加えて、「せっかく法学部卒業したし、司法試験も受けてみるか。」という記念受験の人も結構いたそうで、これが合格率を下げる原因のひとつにもなっていたとか・・・。

新しい司法試験

旧司法試験では知識の暗記がとても重要でした。全部知ってて、全部覚えている、この完璧な知識が必要でした。しかしそうではなく、もっと柔軟に、「知識を使って自分の頭で考える力をみましょう」という風に出題形式を変えていったのが現在の司法試験です。そして、それと同時にできたのが法科大学院(ロースクール)です。基本的にロースクールの入学試験に合格し、無事に卒業した者のみが司法試験を受けれるようになりました。ロースクールができたときは、いろいろなバックグラウンドを持った人がロースクールで法律を学んで、幅広い経験を持った法曹(裁判官・検察官・弁護士)となれるようにという目標があったため、社会人経験者も結構入学していました。ただ、当初はロースクールに入学できれば7~8割は合格できると言われていたのに、実際は3~4割と、結構な割合で不合格となります。しかも、3回までしか受けられませんでした。ロースクールは私立だと入学金100万円、毎年の学費100万円ほどするので、社会人を辞めてロースクールに入ったものの、3回目で合格できなけば、ただロースクールに通っている期間の収入と社会経験を捨て、300~400万円を捨てたに等しい(ロースクールでの経験は残るが…)という辛辣な現実が待っています。ちなみに国立だとこの半分くらい(それでも高いけど)。試験内容は、択一試験(憲法・行政法・民法・民事訴訟法・刑事訴訟法・刑法・会社法)と論文試験(憲法・行政法・民法・民事訴訟法・刑事訴訟法・刑法・会社法+選択科目)で口述試験はなくなりました。

現在の司法試験

予備試験の登場

司法試験を受けるためにはロースクールを卒業しないといけなくなりましたが、それでは学費を負担できる人に限られる…などなどの不公平(?)を解消するために、例外的に予備試験に合格することで、司法試験の受験資格を得られるようになりました。ただ、この予備試験は司法試験を若干シンプルにした程度+英語+一般知識の試験があるという、結構な難易度です。したがって、予備試験を合格した人の司法試験合格率はとても高いです。

現在の司法試験

現在の司法試験は択一(憲法・民法・刑法)の3科目だけになりました、論文は相変わらず憲法・行政法・民法・民事訴訟法・刑事訴訟法・刑法・会社法+選択科目の8科目です。あと、3回までしか受けられなかったのが、5回まで受けられるようになりました。以前は、ロースクール卒業後5年の間に3回まで受験できるという決まりだったので、不合格になった後、続けて受けるのか、それともしっかり勉強して2年後に受けるのか・・・という変な駆け引きが必要でしたが、現在ではとにかく5年間毎年受けられるようになったので変な悩みは消えました。

ロースクールができてから合格者が増えて弁護士増えすぎ問題があったり、会社を辞めてまでロースクールに入っても不合格になるリスク問題もあったりで、ロースクールの人気も下火に…入学希望者がどんどん減って、地方のロースクールはどんどん潰れていきました。社会人からロースクールに入る人も激減し、今ではほぼ大学(法学部)新卒の人がそのままロースクールに入っているケースがほとんどです。

いや、落ちるよ・・・正しいこと言ってるんだけど・・・。

↑彼はある意味合格すべき実力を持っている…

司法試験の問題は、学者や裁判官・検察官・弁護士が練りに練って作っているので、問題も不自然さはないです。ただ、予備校の模擬試験の問題は…結構突っ込みどころが多いような…。やっぱり、司法試験のレベルの問題を作るのは至難の業だと思われます…。

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